JAFTA

更新日 2004/04/08
  スコープ
  1.倍 率

 フィールドターゲット競技や狩猟で使う空気銃には、スコープが必須です。 両方ともオープンサイトでも出来ないこ
とはありませんが、スコープ付きの銃には敵いません。
 空気銃に付けるスコープはそれ程高倍率のものは必要有りません。 狩猟でしたら最高倍率が4倍から12倍までの範囲
で有れば十分でしょう。 欧米で行われているフイールドターゲット競技ではもっと高倍率のものが使われているようで
す。
 スコープの倍率には固定倍率のものと可変倍率のものが有ります。 固定倍率のものは”4X32”というように書か
れていて、”4”が倍率を表し、”32”は対物レンズの直径をミリで表しています。
 可変倍率の場合は”4−9X32”というように書かれていて、”4−9”が倍率を表し、4倍から9倍までという意
味になります。
 実際に使用する場合は可変倍率だからと言って、それほど頻繁に倍率を変えて使う訳では有りません。 

 スコープの仕様の表記方法は一般に次のようになっています。

例) 表記       意 味
  3-12x32 ---> 倍率が3倍から12倍で対物レンズの直径が32ミリ
     4x40 ---> 倍率が4倍で対物レンズの直径が40ミリ

 一般には自分が必要とする最高倍率を決めてからその条件を満たす製品を選ぶのが良いでしょう。 最低倍率は2倍か
ら4倍ぐらいが一般的です。 最高倍率があまり高倍率だと銃を構え狙いをつけるとき手ぶれが大きくなり、狙いがつけ
難くなります。 


  2.明るさ

 スコープを覗いたとき、像が明るく鮮明に見えることが大事です。 明るく見えるためには、対物レンズの直径が大き
いことと、レンズの透明度が高いことが条件になります。 像の明るさに影響を及ぼす度合いは、レンズの透明度よりレ
ンズの直径の方が遥かに大きな影響を与えます。 また明るさは倍率とも相関関係があり、対物レンズの口径が同一なら
倍率が小さい(低い)方が明るくなります。 例えば、対物レンズの口径が32ミリで倍率が4倍のものと6倍のものが有っ
た場合4倍のものの方が明るく見えます。
 フィールドターゲット競技や狩猟は屋外で行われるため、暗い状況で使うことがしばしばあります。 そのような時、
対物レンズの直径が大きいものと小さいものを比べると、その違いが歴然とします。 対物レンズの直径が大きければ大
きい程良いかと言うと、そういう訳ではありません。 空気銃に付けて使用するわけですから、銃の取りまわしに支障が
でるような大きさであってはなりません。
 空気銃の場合、対物レンズの直径が32ミリから40ミリまでが適当でしょう。 


  3.パララックス調整(フロントフォーカス調整)

 対物レンズは直径だけでなく、焦点距離が変えられるフォーカスリング付きかどうかも、スコープを選ぶ上でポイント
になります。 固定焦点のスコープだと接眼レンズから標的を覗いたとき眼の位置を動かすとレティクル(reticle,cross 
hairs,レチクル)も一緒に動くように見える現象があります。 そのため頬付けの位置によってレティクルが動いてしま
い、狙いがズレることが有ります。 この現象はパララックスが原因で発生します。
 パララックスは、対物レンズの作る像がレティクルと同じ位置に出来ないため、接眼レンズから見るとレティクルと像
が前後に離れて見えることに起因します。   パララックスの概要図
  
 フォーカスリング付き対物レンズだとそのような現象は起りませんが、標的までの距離に合わせてフォーカスリングを
回し焦点を合わせなければなりません。
 フォーカスリングを一回転すれば最近距離から無限大の距離まで合わせられるものもあれば、数回転させなければ合わ
せられないものも有ります。 フィールドターゲット競技であればフォーカスリングを回す時間も有りますが、猟の場合
はそいう時間が取れないこともあります。  そのため狩猟に使うのであれば、フォーカスリングを1回転させれば最近
距離から無限大距離まで焦点が合うものが良いでしょう。
 実際には幾らかの範囲をもって焦点が合いますので、それほど神経質になることは有りません。


  4.胴体と照準調整

 スコープの胴体直径は25.4ミリ(1インチ)のものと30ミリのものが一般的ですが、25.4ミリの製品の方が数が多いで
す。 倍率、フロントフォーカス、対物レンズ径を決めた後、胴体直径を選ぶのが良いでしょう。 

 レティクル調整ノブの構造も製品によって違いがあります。 上下方向の調整をエレベーション(elevation)、左右
方向の調整をウインデージ(windage)といいます。 経験上言えることはエレベーションノブを回すとレティクルは上
下動するだけではなく、少しだけ左右にズレて移動します。 このことはレティクルが斜めに移動すると言う事です。 
 例えば着弾点を上にあげようとしてエレベーションノブを回すと左方向または右方向にズレながら上がることになりま
す。 従って正確に調整するにはエレベーションだけでなくウインデージも同時に調整しなければなりません。 左右方
向の調整も同様です。

  レティクルの理想的な動きのアニメーション と 実際の動きアニメーション

 この現象を確認するにはスコープがしっかりと銃に取り付けられていて且つ銃とペレットの相性が良く、その上射手の
腕が良くなければなりません。

 レティクルの形も色々ありますので、気に入ったものを選べば良いでしょう。 銃砲店やスコープの販売店に行って実
際に説明を聞き、覗いてみるのが一番分かりやすいです。 カタログなどでレチクルやクロスヘアと書かれているものもあ
りますが、同じものを指しています。

 接眼レンズは視度調整が出来るようになっています。 自分の眼に合うように調整して、レティクルがはっきりと見える
ようにします。

 スコープは眼を接眼レンズから一定の間隔をおいたとき、視野全体が明るく見えるように作られています。 接眼レンズ
から眼の位置まで距離をアイリリーフ(eye relief)と言います。  アイリリーフの概要図
 可変倍率のスコープの中には倍率と同期してアイリリーフが変化する製品もあります。 アイリリーフが変われば銃を構
えたとき、頬付けの位置も変わります。 そのためこのようなスコープは十分な射撃練習をしないと使いこなせないでしょ
う。 使っているスコープの取り扱い説明書をよく読んで仕様を理解し、そのスコープを使いこなしたいものです。

 "re"を「リ」と読むか「レ」と読むかによって日本語での意味が違ってきます。 「リ」と読むとリリーフとなり、例え
ば野球で言えば救援投手を表し、「レ」と読めばレリーフで、彫刻のレリーフになります。 英語では一つの言葉、一つの
発音ですか日本では業界(?)によって「リ」、「レ」と異なる発音をしています。 同じような例として"release"があ
ります。 「リ」と読めばリリースになり釣りでは魚を放す「リリース」になり、「レ」と読めばレリーズとなり写真機の
シャッターを押す用具に成ります。
 大事なことを忘れていました、"precharge"です。 「リ」と読めばプリチャージ、「レ」と読めばプレチャージ、どち
らが空気銃業界の主流なんでしょうか。
 "re"の"r"の発音は日本語に無いので、それに近い発音を当てています。 そのためそれぞれの業界で最初に日本語表記
したものが、慣例として現在まで連綿と続いているのではないでしょうか。
 前出の"reticle"や後述の"recoil"も「リ」派、「レ」派に分かれるようです。 いずれにしても、相手に内容が正しく
伝えられるように表現することが最も重要で、そのためにある時は「リ」派になったり、別のときは「レ」派になったりす
るのも良いのではないかと思っています。

閑話休題
 アイリリーフは3インチ(76mm)や3.5インチ(90mm)辺りが多いようです。 アイリリーフはスコープの取扱説明書に記
載されていますので、良く読んで理解しておくことが大事です。
 銃を構えたとき無理のない姿勢でアイリリーフが取れるようにスコープを取り付けます。


  5.耐衝撃性能

 ピストン式の空気銃(スプリングでピストンを押し空気を圧縮する機構の空気銃:中折れ銃、サイドレバー銃、アンダー
レバー銃など)に取り付けるスコープには衝撃に強いものを選ぶ必要があります。 特に空気バネ(金属製のコイルスプリ
ングの代わりにエアースプリングを使ったもの)を使った銃は強烈なリコイル(recoil)が発生します。 空気バネが発生
するリコイルでダブテイル(dovetail:ハトの尾羽 マウントリングを取り付けるため銃身の機関部に彫られた2本の溝が
挟む一帯)に取り付けられているマウントがズレないように取り付けるズレ防止ピン(recoil pin)が折れてしまう事があり
ます。  ダブテイルの概要図
 このリコイルはピストン式空気銃独特のもので、引き金を引いたとき後ろに行く反動が来て、スプリングが延びきってピ
ストンが圧縮室の前壁に当ったとき前方に行く反動が来ます。 このように後ろと前に来るリコイルをダブルリコイルと称
することもあります。 このリコイルのため衝撃に弱いスコープではすぐに壊れてしまいます。
 プレチャージ銃やポンプ銃のリコイルはピストン銃に比べて少ないので、特別に耐衝撃性能を考える必要は無いでしょう。

  Web Master: 



銃のコラムに戻る