3)クラス分け 一般に射撃競技は使用する銃などを限定して行われます。 例えば口径、銃の各部の寸法、服装、トリガーの重さな どです。 制限(規格)に合う銃と用具を用いないと競技会に参加出来ないのが多いでしょう。 欧米で行われている空気銃のフィールドターゲット競技は出来るだけ制限を少なくし、「誰でも参加出来る」ことを 主眼に置いています。 口径、発射エネルギー源、服装、などハードウエアの違いや身体的条件、腕の差(射撃技術) など様々な違いを吸収した上で、公平に競技できるように配慮しています。 誰でも参加でき、公平に競技を楽しむための方法が「クラス分け」です。 クラス分けの考え方は「同一属性の参加者をひとまとめにしてクラスを構成し、クラス内で得点を競う」というもの です。 例えばスプリング(メタルスプリングか空気スプリングかは不問)ピストン銃のクラスとプレチャージ銃のクラスと 分けるとか、銃のグレード(価格)で分けるとかです。 どのようなクラス分けをするかは競技会のチーフマーシャル (主審・主催者)がその日の参加者の顔ぶれを見てその場で決めれば良く、予め決めておかなければならないと言うも のではありません。 クラス分けを階層構造にすることも出来ます。 例えばスプリング銃のクラスを細分化し、メタ ルスプリング銃のクラスと空気スプリング銃のクラスに分けます。 また、参加者は不利な条件を承知の上で、他のクラスに参加することも出来ます。 例えばスプリングピストン銃で の参加者がプレチャージ銃と競いたい思えばプレチャージ銃のクラスに入ることも出来ます。 しかし、逆にプレチャ ージ銃の参加者がスプリングピストン銃のクラスに参加することは出来ません。 これはクラスを移動した者が有利に なるからです。 当然各種の競技専用銃で参加することも認められますが、猟用銃とは別のクラスで競技することが妥当でしょう。 このことはコースを別々に周らなければならないことを意味するものではありません。 口径にも制限がありません が、事実上4.5mmから5.5mmまでです。 もっとも多く使用されるのが4.5mmです。 これはノックダウンターゲットの ヒットゾーンに対してペレットの直径が一番小さいため、スプリットペレット(注1)になる確率が低いいためです。 参加者の身体上の特性のため補助具を使うことや、特定の射撃姿勢がとれない場合他の姿勢で代替することが出来る なども認められています。 例えばケガや病気などのため銃を十分支えられない場合、補助具を使い委託射撃をするこ とを認めていますし、おなかが邪魔でプローンの姿勢が取れない場合はニーリングや他の姿勢で代替することも認めて います。 フイールドターゲット射撃は「安全に多くの人が公平に射撃を楽しむ」ことを基本姿勢にしており、過度に競技志向 に陥らず、かといってルーズな競技に成り下がることも無いように運営されています。 注1: ペレットがフェイスプレートのヒットゾーンの穴の境目に当り、ペレットの半分だけがヒットゾーンの穴を通 過してパドルに当った場合、スプリットペレット(分割弾)と言う。 |